薬事法違反で逮捕。〝リンク商法〟への監視強化
医薬品的な効能効果をうたった飲料水を販売していたとして、
販売会社の社長らが薬事法違反で逮捕されています。
以下のサイトにて、詳しく取り上げられています。
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2014/09/post-1949.html
今回の事例では、商品販売ページでは薬事法に違反するような
効果効能をうたわず、検索キーワードによって誘導したページで、
効果効能と見られる体験談が見れるようになっていました。
リンク先(検索先)のページには、商品名の記載はありませんが、
水(当該会社の水に該当すると思われる)を飲むことによって、
疾病などが改善するという体験談などが載っているという仕組みです。
ここで、今回の事例がどのように、薬事法に違反となったのかを
確認してみましょう。
まず、薬事法における広告か否かの判断基準は以下のとおりです。
①顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確にあること
②商品名等が明らかにされていること
③一般人が認知出来る状態にあること
もう一度、今回の事例の要点をおさらいしてみます。
・商品ページには薬事法違反となる記載はない
・商品ページには、「・・と検索すると、体験談やモニター情報がご覧になれます」と記載
・検索した先のページでは商品名の特定はないが、効果効能にあたる記載がある
今回の焦点としては、検索先ページが
“薬事法における広告の定義に当てはまるか”
ということです。
今回の事例では、商品ページから直接リンクを貼っていませんが、
商品ページにあるキーワードを検索することで、体験談が
記載されているページに行けるように誘導しています。
なので、①は該当します。
また、インターネットで商品ページと体験談のページが
検索出来ることから、当然③にも当てはまります。
問題は、②の商品名が明らかにされているかどうか、ということですが、
検索先のページでは、商品名は特定されていません。
しかし、今回のように商品ページから誘導する意図が明らかで、
消費者を誤認させる場合には広告とみなされる、
ということになります。
これは、同じような広告事例に対する警告でもあります。
現在、商品ページに直接リンクを貼らなければ、健康情報のページとして
ある食品成分に関する情報(効果効能にあたるもの)を消費者に提供する
ことが、即薬事法違反とはされていません。
実際、このような広告手段は、様々な形で行われています。
しかし、今回の事例のように、商品ページと関連情報のページに
明確な誘導の意図があり、消費者を誤認させる場合には、
薬事法違反として取締りの対象になるということです。
もちろん、同じような広告事例の全てが薬事法違反になるとは考えませんが、
取締り対象になり得る、という重要なケーススタディです。
今後、同様な広告を出すことを検討している、もしくは既に出している、
という場合には、今回の事例のように、消費者への誤認を与える形に
なっていないか、注意して見直す必要があるでしょう。