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機能性表示食品

「新たな機能性表示食品制度ってどうなの?」参加レポート(3)

「新たな機能性表示食品制度ってどうなの?」参加レポート三回目となります。


今回からは、シンポジウムに参加した消費者からの質疑応答について、お送りしていきます。


当日は、参加者から多くの質問があり、
制度に関する素朴な疑問や、機能性表示食品の今後について問う鋭い質問などなど、登壇者の間で非常に活発な議論がされました。

Q.1 特定保健用食品(トクホ)で承認されなかった商品が、機能性表示食品として認めることは問題ないことなのでしょうか?


阿南氏:通常は認められるべきではないと考える。消費者庁は、トクホでの承認状況なども含めて確認すべき。


唐木氏:トクホと機能性表示食品は、そもそも別制度であるのだから、トクホで承認されないから、機能性表示食品に申請出来ないというのはおかしいように感じる。トクホ制度に機能性表示食品を当てはめる理由はないはずだ。


関口氏:機能性表示食品は、国の承認ではなく、あくまで受理であるので、制度上は資料に問題がなければ販売出来ると考える。その商品の是非については、消費者(市場)が判断することになるのではないか。


戸部氏:たしかに消費者次第ではあるが、なぜトクホで承認されなかったのか。それが消費者に伝わるような仕組みにしなければ、消費者が判断するのは難しいだろう。


阿南氏:これは、事業者のモラルにも関係する。伝えるべき情報を伝える(トクホで承認されていない場合には、その理由など)ことが企業姿勢として大事な点ではないか、と考える。

 

Q.2 なぜトクホという制度があったのに、機能性表示が出来たのか?消費者のためになる制度なのか?


小島氏:そもそも始まった理由としては、安倍政権の成長戦略の一環である。もちろん、最終的には、国民のためになる制度と考えるが、制度の始まり自体は健康食品の市場拡大が主な理由だったように思う。


山崎氏:トクホに比べて、機能性表示食品は食品の機能性として、微効と考えることも出来ますが、この効果を、どのように判断すべきなのでしょうか?


唐木氏:消費者庁のガイドラインにあるとおり、査読付きの RCT論文一報というのが、一つの判断基準と考える。


山崎氏:先ほどの Q.1の質問と関連するが、トクホではデータが公開されておらず、消費者はトクホのデータについて知ることはほとんどないはず。

今回の機能性表示食品としては、全て公開する必要もあり、企業に自信があるのであれば、届出することは問題ないように思う。機能性表示食品を問題視しすぎるのも、また問題なのではないか。

 

Q.3 機能性表示食品に対する消費者の認知が足りていないように思う。もっと消費者へ PRする必要があるのでは?


戸部氏:現在は、情報だけが先行している。商品が市場に並んでいるものが出てきて、その状況により PRしていく形を考えたい


阿南氏:消費者庁も、届出の受理により対応が間に合っていない部分がある。今回のシンポジウムのように、機能性表示食品について議論していく場が増えてくれば面白い。


唐木氏:トクホや栄養機能食品、さらに機能性表示食品と増えて、消費者も全て理解するのは正直難しいと思う。例えば、根拠がある食品、根拠がない食品という形で分けることができれば、わかりやすくなる。

今後は、制度として、一元化していくのも重要なのではと思う。


小島氏:メディアの対応として、注意喚起をすることはできるが、特定の商品を取り上げたりすることは出来ない。むしろ、商品を宣伝するのは事業者が自分たちでやることである。

ここで問題なのは、事業者は自分たちに良いことしか言えない、ということである。その点を考慮すると、客観的な批評などは、第三者がやるべきだと思う。

 

以上、質疑応答の続きについては、次回お伝えしていきます。

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