機能性表示制度に対するパブコメ意見まとめ
食品の機能性表示制度について、パブコメ募集が終了し、各企業・団体より意見書が公表されています。今回は各団体の意見書について公表されているものをまとめました。
①生活クラブ東京からの意見
- サプリメントを食品と切り離して規制する法整備を行なうべき
- 事業者による消費者庁への届出だけに留めず、国は科学的根拠に関してトクホに準じた審査と監督を行う責任がある
全体的に新制度へ反対の姿勢を示していますね。
詳しくはコチラに公開されています
http://tokyo.seikatsuclub.coop/news/2014/09/1409public.html
②消費者関連専門家会議からの意見
- 現状のトクホや栄養機能食品に対する理解がされていない消費者も多い。新制度導入にあたり、消費者が適切な商品を選択できるよう、消費者教育・啓発をしっかりと行うべき
- 不当な表示や広告を行った事業者を排除することで消費者被害の発生・拡大を防ぐような仕組みが望まれる
こちらは制度自体には賛成であり、消費者が適切に商品選択出来る制度にするよう意見が出されています。
詳しくはコチラに公開されてます
http://www.acap.or.jp/taigai/taigai-koryu/pdf/pubcom20140924.pdf
③大阪商工会議所の意見
- 安全性の確保にあたっては、健康食品GMPの従来ある制度の活用を考慮すべき
- 機能性については、海外市場も期待出来るので、海外の機能性制度と整合性のあるレベルとすべき
こちらは、意見というよりも感想に近いですが、全体的に賛成の方向ですね。
詳しくはコチラに公開されています
http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/i260926syoku.pdf
④日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の意見
- 成分の分析方法や必要量などのガイドラインが重要となるため、早いガイドラインの具体化を望む
- 収集された重大な事故情報に関しては速やかな報告を義務づけるべき(アメリカのデイたらいーサプリメント制度でも15日15営業日以内にFDAへの報告義務がある)
こちらは、安全性情報が迅速かつ適切に伝わる制度作りを望んでいますね。また、ガイドラインによる品質管理の一定化も望まれています。
詳しくはコチラに公開されています
http://www.nacs.or.jp/tokubetuiinkai/documents/kinoseihyoji20140926.pdf
⑤日本生活共同組合連合会の意見
- 保険機能食品を除く「いわゆる健康食品」の機能性を暗示させる表示などに対する取締りの強化を期待する
- システマティックレビューなどが適切に行われるよう、事業者に対して積極的に助言・指導すべき
- 届出事項については、最新の情報が反映されるよう、定期的に更新される仕組みとすべき
機能性表示が、きちんと働くような仕組みづくりの重要性を強調されています。
詳しくはコチラ
http://jccu.coop/info/suggestion_141002_01_01.pdf
各団体からの意見としては
- 概ね制度に賛成しつつ、ガイドラインなどで詳しく規定することを望む意見
- 安全性などの情報が適切に消費者に伝わるよう仕組みづくりを望む意見
そのほかに、
- 制度全体を見直すべき
といった意見も出ています。
今回の意見書に関して、現在消費者庁で回答をまとめているところですが、同じような意見に集約されているように思います。
制度として大きな変更はないと思いますが、意見書の要望が、ガイドラインに反映されるといったことはあるでしょう。
なお、今回の意見書の他にも公表されているものがあるので、残りは次回のブログにて取り上げます。
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