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機能性表示食品

機能性表示制度に対するパブコメ意見まとめ②

前回に引き続き、機能性表示制度に関する各団体のパブコメ意見のまとめです。


前回の記事はコチラ

http://yakujihou-marketing.co.jp/publiccomment-opinion/ 

なお、消費者庁のパブコメ募集ページも載せておきます(意見募集は既に終了)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=235080028&Mode=0 

 

①在日米国商工会議所からの意見
  • 食事摂取基準に設定されている栄養成分を慎重に検討すべき、と先延ばしにする理由が明確でなく、合理性がないので、こういった栄養成分も対象とすべき
  • 「保健機能食品を対象としている添加物を用いることはできない」という記述について、機能性表示食品も保健機能食品に該当するならば、添加物に関する使用制限を設けることの合理的理由が不明確である(補足①)
  • 未成年・妊婦を対象外とするにあたって、「これらの人が摂取しても問題があるわけではありません」という文言を追加すべき

細かいところまで見ていますね。指摘についてもごもっともであり、非常に建設的な意見です。

補足①
食品表示基準(案)において「添加物のうち、保健機能食品を対象としている添加物を使用出来ない」となっている点ですが、該当する添加物として"トコフェロール酢酸エステル”“ビオチン”などがあります。

上記成分は、栄養機能食品に該当するため、今回の文言を追加したのでしょうが、「保健機能食品を対象としたものを用いることは出来ない」については、指摘通りの矛盾が生じているので、何らかの文言修正が入ってくるでしょう。


詳しくはコチラを参照

http://www.accj.or.jp/images/140926_PC_DS.pdf

 

なお、上記団体では、今回のパブコメ意見以外にも独自に意見書を出していますので、そちらもまとめておきます

②在日米国商工会議所からの意見(パブコメとは別の提言)
  • 無作為対照化試験だけでなく、疫学情報などのエビデンスの総合性に基づく表示を認めるべき
  • 製造や品質管理システムとして、サプリメントについてはGMP、加工食品にはHACCP、ISOを適用するべき
  • 機能性表示として、身体の自然な変化に伴う体調機能障害、病気への効果を暗示しないもの、明確には病気と定義されていない諸症状に対する表現を認めるべき。
    • 「疲労」「体力」「強壮」「老化」「免疫機能」といった文言
    • 「筋肉の低下を予防(維持)」「集中力の向上」「QOLの向上」といった表現
    • 「刺激する」「支援・補助」「調節する」「促進する」といった文言
    • しわ、老化に伴う記憶力の問題
    • 肥満自体は病気でないため、科学的な裏付けをもった「肥満状態」の改善といった表現
    • 肥満状態の改善によって改善される諸症状に関する表現(例:健康な血糖値を維持します)
  • 消費者の安全が最優先。安全性の試験結果を保証することによって、安全性データが確保されなければならない
  • 科学的根拠の裏付けには、MEDLINEやChemicalAbstractなどの科学系データベースに掲載された情報を有効に利用し、独自に行われた試験や研究等も裏付けの一部として考慮されるべき

 

非常に多くの提言が出ており、アメリカのダイエタリーサプリメント制度を基にした提案が多いです。安全性を最優先すべき、といったところから機能性表示の細かい表現まで、参考にすべき意見が幾つもありますね。

詳しくはコチラを参照
http://www.accj.or.jp/images/140708_Functional_Health_DS.pdf

 

 

③東京都生活協同組合連合会からの意見
  • 名称に「届出」を残すことが必要であり、新たな名称は「機能性届出食品」が適当
  • 「機能性食品」と「いわゆる健康食品」両方を対象として、監視を強める必要がある
  • どのような素材が対象で、どのような表現が可能となるのか、詳細なガイドラインを早急に明らかにすべき
  • パッケージに記載する文字が多過ぎて、消費者が文字を読まないことが予想される。「書いてあれば責任を逃れられる」という亜判断となっていないか。表示案を再考すべき。
  • 届出資料が適切な内容となっているかどうか形式的審査だけでなく、関連機関、専門家と連携して確認出来る制度を設けるべき

建設的な意見が多いですが、直ぐに消費者庁が対応出来るか、というと難しいところもありますね。この辺りの対応については、今後の課題として残ってくるように思います。

詳しくはコチラを参照
http://www.coop-toren.or.jp/Portals/0/images/service/food/141001/食品の新たな機能性表示パブコメ.pdf

 

④神奈川県消費者団体連絡会からの意見
  • 景品表示法に課徴金制度による、不当表示への抑止力を強化は必要。食品表示法に規定されている指示や命令を十分に活用した違反事業者に対する取締りを期待
  • 食品の安全性確保、品質確保のために有用な制度(HACCPやGMPなど)について利用の義務付けが必要
  • 収集された重大事故情報については、速やかな報告の義務付けを行い、消費者の安全・安心の確保の担保とすべき

こちらは、制度全体として不当表示や安全性確保が適切に行われるように、という意見ですね。

詳しくはコチラを参照
http://www.kanaken.or.jp/news/2014/140926.html

 

今回公表されているもの以上に、非常に多くの企業・団体より消費者庁には意見書が届いているはずです。

課徴金制度に対するパブコメへの回答が1ヶ月半程度掛かっているので、今回のパブコメへの回答、ガイドラインの提示となるとさらに期間がかかることになりそうです。

 

事業者としては早くガイドラインが出て欲しいと望んでいても、消費者庁としても慎重にガイドラインを出す必要があるので、難しいところではあります。

意見書のなかで、ガイドラインに細かい規定を書くように、とありますが、一つ一つ細かい表現について言及するガイドラインを作成するのは、非常に難しいように思います。

焦点としては、今回の制度の参考としているダイエタリーサプリメント制度での表現をどれだけ使用出来るのか、というところですね。あとは、トクホ制度での表現可能例などは基本的に問題ないのかどうか。この二つについて認められるのであれば、新たな制度での表現可能例は、今までに比べて格段と広がります。

 

これからの時代、きちんとしたエビデンスを揃えることが出来る素材は強いですね。逆にエビデンスがない素材については、これから開発費用として投資していくか、その他の素材に切り替える、といった選択が迫られてくるでしょう。

 

制度開始まで半年を切り、もはや待ったなしです。

既に始めている企業はドンドンとSRへの準備など、動き出しています。これからは、準備段階での適切な担保書類を揃えることが非常に重要となり、根拠がない広告表現への追求はますます厳しくなってきます。

この制度は、食品メーカーだけでなく、広告代理店、ドラッグストア等にとっても深く関わってきます。

まさに業界再編の足音がすぐそこまで来ている、というところですね。知らぬ間に、他社に大きな差をつけられた、ということがないよう、早め早めの準備をオススメします。

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なお、11月19日、26日の2日間、機能性表示食品、薬事法、景品表示法など、これからの食品に関する法規制と広告表現に関するセミナーを実施します。詳細については、来週HPで告知します。

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