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機能性表示食品

「新たな機能性表示食品制度ってどうなの?」参加レポート(5)

「新たな機能性表示食品制度ってどうなの?」参加レポート最終回となります。

今回も、登壇者による質疑応答トークセッションについて、お送りしていきます。

 

Q.7 食経験に関して、現時点の商品で情報が不足しているものはないか?


山崎氏
:今までの公開された情報による、安全性で懸念される問題はほとんどないように思う。

安全性情報に問題があると疑義情報が出ている製品も、質が高いかどうかを別にすれば、定められている機能性表示食品のルールはクリアしている。


唐木氏:調べた商品の中で、安全性上問題があると考えられるのは2つであった。

製品に問題があるというより、記載方法に問題がある場合もあり、企業側としては、足元をすくわれないような論理付けをきちんとしなければならない。

 

Q.8 機能性のエビデンスについては、どのように考えるべきか?


山崎氏
:現在のルールであれば、研究レビュー(システマティックレビュー)における評価としては、臨床試験論文が1報あれば問題ない。

ただし、摂取量(機能性が確認されている量)も含めて考えなければいけない。

また、査読付き論文というのも重要で、第三者が確認している、という点において査読付き論文を用いる必要がある。

唐木氏:個人的な研究レビューの評価としては、A~Eにランク付けをしている。

A:論文が複数報存在し、適切にシステマティックレビューが行われている

B:複数報の肯定的な査読付き論文が存在する

C:肯定的な査読付き論文が1報

D:(質の低い)査読付き論文が 1報

E:査読付き論文が1報も存在しない(機能性表示食品の基準に達していない

 

Q.9 中小企業は果たして機能性表示制度に対応できるのか?


山崎氏
:肯定的な論文が1報というのは、良いラインだったのではないかと感じている。3報だったら、制度に乗せるのを諦めざるを得ないが、1報であれば、中小企業でも対応出来る範囲である。


唐木氏
:1報の場合には、その後の論文情報もきちんと確認する必要があり、定期的に情報をアップデートしていく必要がある。

 

…以上、5回に渡って、機能性表示食品に関するシンポジウムの参加レポートをお届けしました。

 

登壇者の方々からは、「まだ制度は始まったばかりであり、公開された情報の処理の仕方、消費者の声をどのように制度に反映していくのかが重要である」と言った声が多く聞かれました。

また、「新制度をどのように活用するか、育成していくかがこれからの課題だ」という点にフォーカスがあたった討論となったように思います。

 

機能性表示食品が始まってから、早4ヶ月間。多くの商品が次々と受理される中で、いくつかの問題も浮き彫りになって来ています。

 

もちろん、いくら商品が増えたとしても、最終購買者である消費者に情報がきちんと届いて、人々の健康に役立ててもらえなければ、この新制度がうまくいったとは言えないでしょう。

 

制度の根本には『一定基準以上の機能性が認められており、安全性も確認されている食品を世の中に出し、消費者の健康に寄与すると同時に、健康産業全体が活性化する』という目標があります。

 

そのゴールを目指して、事業者、行政、消費者が同じベクトルに向かい、一つ一つステップを越えていく必要があると改めて感じる討論会でした。

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